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東大・京大で1番読まれた本ー外山滋比古【思考の整理学】

初版は80年代ではあるが「東大・京大で1番読まれた本」がキャッチコピーとなり、現代でも幅広い世代に読まれている。
特に目から鱗となるようなものはないが、当たり前のことを理論だてて具体例も入れながら説明しているのでわかりやすい。

 

特に個人的に良かったのは本書の趣旨とも言えるような「思考を寝かせておく」という内容。
常に問題意識を持っておくことで、その問題がすぐに解決できなかったとしても寝かせている間にひょんなことに解決策が浮かぶことがある。ずっとそのことばかり考えておくのではなく、しばらく寝かせておくことが大事という部分は個人的に一番興味を引いた。(この部分については本書でも度々述べられているので本書の骨子なのだろう)

そういえばスティーブン・ジョブスもリード大学でデザインに関する授業を聴講し、それがその時はとても面白く美しかったから聴講したのではあるが、数年後にはそれがアップル制作の大きなヒントになったと述べている。
その時には何に利用できるかわからないことでも、それを「寝かせて」おけばいずれ花開くといった本書の内容は、まさに巨匠ジョブズの経験からも説明できるのではないか。