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努力のご褒美は結果ではなく、成長ー宮本哲也 【強育論-The art of teaching without teaching-】

教育というと、まるで学校の中の先生と生徒という関係のみを考えがちだが、教育の始まりは家庭教育である。

そういった意味で、著書は「教育者」と呼ばれている立場の人だけでなく、これから親になる、あるいはすでに親である人にも参考になる本であると思う。

教育、というものに関していえば結局そこに「どのような人物に育てたいか」という青写真、つまり目標があっての教育だと思うが、僕世代のいわゆるゆとり教育というシステムの中ではいったいどのような青写真があったのだろうかとふと気になった。

教育方法が間違っていたのか、あるいは目標設定の段階でおこしかったのか、はたまた両方か。

本書で語られる教育の目標はシンプルである。

強い人-自立してしっかりと生きていける人というのが本書で述べられる教育の目標であり、教育するということは生きるために命がけのことなのだ。故に「ゆとり教育」のように「ゆとり」と「教育」が結びつくものではないという指摘はふむふむとうなづける。

本書の中で気に入ったフレーズが一つあるのでそれだけ紹介したい。

努力のご褒美は結果ではなく、成長であると考えれば、失敗を恐れる必要はなくなる。