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米国陸軍士官学校で生き残れる人たちとはーアンジェラ・ダックワース【Grid やり抜く力】

 

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

 

 「才能があっても、その才能を生かせるかどうかは別の問題だということだ」

物語は米国陸軍士官学校(ウェストポイント)の事例から始まる。ウェストポイントでは体力・知力で全米トップクラスの若者が毎年1万4千人志願し、そのうち入学が許可されるのはわずか1200名である。しかしながら厳しい入学条件をクリアした1200名のうち5人に1人が中退し、中退者の多くは最初の2か月で辞めていくという。中退者の中には入学時点での成績がトップクラスの者もおり、反対に卒業することができた学生の中には成績が中または中の下ぐらいの人もいるという。そこで、卒業できる人と中退者との違いを分析するために様々な実験が行われた。例えば入学時点での成績の違いや体力の差が影響を及ぼすのではないかと。しかしいずれの実験の結果も決定的な要因にはならなかった。

そこで注目されたのがGridである。本書では上述したウェストポイントの事例のみならず、人生で成功を収めた人たちに共通する能力の中でも、とりわけ「Grid-やり抜く力」に注目し、やり抜く力がどのように成功に結び付き、やり抜く力をどのように伸ばしていけるかを様々な事例を取り上げながら紹介している。人材育成という観点で教育に従事する人々にとっては非常に参考になる内容だ。既に各書店ではベストセラーとして平積みされており、大変話題を集めている一冊でもある。

また、本書の中では実際に数値としてやり抜く力を測定するプチ診断テストが掲載されているので、自分のやり抜く力がどんなものなのか参考にしてみると良いだろう。

また著者であるアンジェラ・ダックワースはTEDでもプレゼンを行っているので興味ある人には大変おすすめである。

www.ted.com